N1 > 专项训练区 > 读解 > 长文理解06
問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。
1.①「逆・北風と太陽作戦」とあるが、それはどういうことか。
寒い。とにかく寒い。コーヒーショップやファミリーレストランで過ごすことが多いが、最近身にしみて感じるのは、夏でも冬でも、寒すぎる店が多いということだ。実はいまもコーヒーショップにいるが、マフラーはしたまま。さっきまでコートは脱いでいたけれど、だんだん店内が冷えてきたので、肩からコートをはおっている。
私はこれをひそかに①「逆・北風と太陽作戦」と呼んでいる。童話の中で北風と太陽は、どちらが先に旅人のコートを脱がせられるかを競いあい、ギラギラ照りつけた太陽が勝った。しかし、日本のコーヒーショップは童話とは違う。私のみるところ、多くの店が北風作戦、つまり温度を下げて早く客を追い出してしまう、という仁(じん)儀(ぎ)なき作戦をとっている。憐れな旅人のような私は、夏でも冬でもいろんな衣類をリュックに詰め、大荷物でコーヒーを飲みに行く。向こうが北風作戦でくるなら、こっちは重ね着して対抗するだけだ。ほとんど、戦(いくさ)に出かけるような心持ちである。
ヨーロッパで過ごした冬を思い出す。零下にまで気温が下がった雪の中、体の芯まで冷えきって足先の感覚を失いかけた頃、もやの向こうにカフェの灯りが見える。カフェの入り口は、暖気を逃がさないよう、ぶ厚いカーテンで覆われている。そのカーテンが、氷の世界と暖かい世界の境界線のように私には思えた。
店に入るとコートを脱ぎ、帽子をとり、しめった手袋をはずし、一枚一枚よろい(注)を脱いでゆく。十分に暖められた空気に、暖かい色の電球、必要以上に耳を刺激しない人々の会話、それらが温かい飲み物の中にとけこみ、硬直した体のすみずみにまで暖かさを運んでゆく。
体がじゅうぶん温まり、外の世界へ出ていく心の準備ができると、私はまた一枚一枚、よろいを重ねる。
②ここにあってくれて、どうもありがとう。私はもう大丈夫です。
素直にそういいたくなる。そして、また氷の世界へ戻っていくのだった。
そう書いているそばから、足元がしんしん冷えてきた。私はあまりの寒さによろいを脱ぐことができず、心も体も、店に入る前よりかえって冷えきってしまった。コーヒーショップやファミリーレストランが回転をよくしようとして温度を下げれば下げるほど、私の心は冷えきり、③その手には乗るものか、と意(い)固(こ)地(じ)になって長居をする。すると童話の中の北風のように、店はますます寒くなってゆく。とても淋しい応酬が日夜繰り広げられている。結局、④私を芯から冷えさせるものは、収益重視という経済感覚なのだった。
早く出てもらいたかったら、太陽作戦でコートを脱がせるのが一番の近道なのに。
こうして私は、悲しいことだが、日に日に温かい気持ちを失っている。
(星野博美『迷子の自由』による)
(注)よろい:身体を覆い守るための戦闘用の防具
(注)藁にすがる:頼りにならないものでも頼りにすることのたとえ
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1 、1、コーヒーショップの北風作戦に、厚着をして対抗すること
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2 、2、コーヒーショップは、童話とは違う北風作戦をとっていること
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3 、3、コーヒーショップでは、童話の内容と違って、客に服を重ね着させること
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4 、4、コーヒーショップでは、童話と違うやりかたで温度を下げて客を早く追い出すこと
問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。
2.②「ここにあってくれて、どうもありがとう。私はもう大丈夫です」とあるが、これは誰が誰に対しての言葉なのか。
寒い。とにかく寒い。コーヒーショップやファミリーレストランで過ごすことが多いが、最近身にしみて感じるのは、夏でも冬でも、寒すぎる店が多いということだ。実はいまもコーヒーショップにいるが、マフラーはしたまま。さっきまでコートは脱いでいたけれど、だんだん店内が冷えてきたので、肩からコートをはおっている。
私はこれをひそかに①「逆・北風と太陽作戦」と呼んでいる。童話の中で北風と太陽は、どちらが先に旅人のコートを脱がせられるかを競いあい、ギラギラ照りつけた太陽が勝った。しかし、日本のコーヒーショップは童話とは違う。私のみるところ、多くの店が北風作戦、つまり温度を下げて早く客を追い出してしまう、という仁(じん)儀(ぎ)なき作戦をとっている。憐れな旅人のような私は、夏でも冬でもいろんな衣類をリュックに詰め、大荷物でコーヒーを飲みに行く。向こうが北風作戦でくるなら、こっちは重ね着して対抗するだけだ。ほとんど、戦(いくさ)に出かけるような心持ちである。
ヨーロッパで過ごした冬を思い出す。零下にまで気温が下がった雪の中、体の芯まで冷えきって足先の感覚を失いかけた頃、もやの向こうにカフェの灯りが見える。カフェの入り口は、暖気を逃がさないよう、ぶ厚いカーテンで覆われている。そのカーテンが、氷の世界と暖かい世界の境界線のように私には思えた。
店に入るとコートを脱ぎ、帽子をとり、しめった手袋をはずし、一枚一枚よろい(注)を脱いでゆく。十分に暖められた空気に、暖かい色の電球、必要以上に耳を刺激しない人々の会話、それらが温かい飲み物の中にとけこみ、硬直した体のすみずみにまで暖かさを運んでゆく。
体がじゅうぶん温まり、外の世界へ出ていく心の準備ができると、私はまた一枚一枚、よろいを重ねる。
②ここにあってくれて、どうもありがとう。私はもう大丈夫です。
素直にそういいたくなる。そして、また氷の世界へ戻っていくのだった。
そう書いているそばから、足元がしんしん冷えてきた。私はあまりの寒さによろいを脱ぐことができず、心も体も、店に入る前よりかえって冷えきってしまった。コーヒーショップやファミリーレストランが回転をよくしようとして温度を下げれば下げるほど、私の心は冷えきり、③その手には乗るものか、と意(い)固(こ)地(じ)になって長居をする。すると童話の中の北風のように、店はますます寒くなってゆく。とても淋しい応酬が日夜繰り広げられている。結局、④私を芯から冷えさせるものは、収益重視という経済感覚なのだった。
早く出てもらいたかったら、太陽作戦でコートを脱がせるのが一番の近道なのに。
こうして私は、悲しいことだが、日に日に温かい気持ちを失っている。
(星野博美『迷子の自由』による)
(注)よろい:身体を覆い守るための戦闘用の防具
(注)藁にすがる:頼りにならないものでも頼りにすることのたとえ
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1 、1、筆者が日本のコーヒーショップの主人に対しての言葉
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2 、2、旅人がヨーロッパのカフェに対しての言葉
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3 、3、筆者がヨーロッパのカフェに対しての言葉
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4 、4、旅人が日本のコーヒーショップの主人に対しての言葉
問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。
3.③「その手には乗るものか」とあるが、「その手」とは何を指すか。
寒い。とにかく寒い。コーヒーショップやファミリーレストランで過ごすことが多いが、最近身にしみて感じるのは、夏でも冬でも、寒すぎる店が多いということだ。実はいまもコーヒーショップにいるが、マフラーはしたまま。さっきまでコートは脱いでいたけれど、だんだん店内が冷えてきたので、肩からコートをはおっている。
私はこれをひそかに①「逆・北風と太陽作戦」と呼んでいる。童話の中で北風と太陽は、どちらが先に旅人のコートを脱がせられるかを競いあい、ギラギラ照りつけた太陽が勝った。しかし、日本のコーヒーショップは童話とは違う。私のみるところ、多くの店が北風作戦、つまり温度を下げて早く客を追い出してしまう、という仁(じん)儀(ぎ)なき作戦をとっている。憐れな旅人のような私は、夏でも冬でもいろんな衣類をリュックに詰め、大荷物でコーヒーを飲みに行く。向こうが北風作戦でくるなら、こっちは重ね着して対抗するだけだ。ほとんど、戦(いくさ)に出かけるような心持ちである。
ヨーロッパで過ごした冬を思い出す。零下にまで気温が下がった雪の中、体の芯まで冷えきって足先の感覚を失いかけた頃、もやの向こうにカフェの灯りが見える。カフェの入り口は、暖気を逃がさないよう、ぶ厚いカーテンで覆われている。そのカーテンが、氷の世界と暖かい世界の境界線のように私には思えた。
店に入るとコートを脱ぎ、帽子をとり、しめった手袋をはずし、一枚一枚よろい(注)を脱いでゆく。十分に暖められた空気に、暖かい色の電球、必要以上に耳を刺激しない人々の会話、それらが温かい飲み物の中にとけこみ、硬直した体のすみずみにまで暖かさを運んでゆく。
体がじゅうぶん温まり、外の世界へ出ていく心の準備ができると、私はまた一枚一枚、よろいを重ねる。
②ここにあってくれて、どうもありがとう。私はもう大丈夫です。
素直にそういいたくなる。そして、また氷の世界へ戻っていくのだった。
そう書いているそばから、足元がしんしん冷えてきた。私はあまりの寒さによろいを脱ぐことができず、心も体も、店に入る前よりかえって冷えきってしまった。コーヒーショップやファミリーレストランが回転をよくしようとして温度を下げれば下げるほど、私の心は冷えきり、③その手には乗るものか、と意(い)固(こ)地(じ)になって長居をする。すると童話の中の北風のように、店はますます寒くなってゆく。とても淋しい応酬が日夜繰り広げられている。結局、④私を芯から冷えさせるものは、収益重視という経済感覚なのだった。
早く出てもらいたかったら、太陽作戦でコートを脱がせるのが一番の近道なのに。
こうして私は、悲しいことだが、日に日に温かい気持ちを失っている。
(星野博美『迷子の自由』による)
(注)よろい:身体を覆い守るための戦闘用の防具
(注)藁にすがる:頼りにならないものでも頼りにすることのたとえ
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1 、1、長居をする客を早く追い出すために店の温度を下げること
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2 、2、店の回転を早くするために客に対して失礼なことを言うこと
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3 、3、よろいやマフラーをして店の低い気温に対抗すること
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4 、4、あまりの寒さに店に長く居て、なかなか外に出ないこと
問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。
4.④「私を芯から冷えさせるものは、収益重視という経済感覚なのだった」とあるが、筆者のどんな気持ちが込められているか。
寒い。とにかく寒い。コーヒーショップやファミリーレストランで過ごすことが多いが、最近身にしみて感じるのは、夏でも冬でも、寒すぎる店が多いということだ。実はいまもコーヒーショップにいるが、マフラーはしたまま。さっきまでコートは脱いでいたけれど、だんだん店内が冷えてきたので、肩からコートをはおっている。
私はこれをひそかに①「逆・北風と太陽作戦」と呼んでいる。童話の中で北風と太陽は、どちらが先に旅人のコートを脱がせられるかを競いあい、ギラギラ照りつけた太陽が勝った。しかし、日本のコーヒーショップは童話とは違う。私のみるところ、多くの店が北風作戦、つまり温度を下げて早く客を追い出してしまう、という仁(じん)儀(ぎ)なき作戦をとっている。憐れな旅人のような私は、夏でも冬でもいろんな衣類をリュックに詰め、大荷物でコーヒーを飲みに行く。向こうが北風作戦でくるなら、こっちは重ね着して対抗するだけだ。ほとんど、戦(いくさ)に出かけるような心持ちである。
ヨーロッパで過ごした冬を思い出す。零下にまで気温が下がった雪の中、体の芯まで冷えきって足先の感覚を失いかけた頃、もやの向こうにカフェの灯りが見える。カフェの入り口は、暖気を逃がさないよう、ぶ厚いカーテンで覆われている。そのカーテンが、氷の世界と暖かい世界の境界線のように私には思えた。
店に入るとコートを脱ぎ、帽子をとり、しめった手袋をはずし、一枚一枚よろい(注)を脱いでゆく。十分に暖められた空気に、暖かい色の電球、必要以上に耳を刺激しない人々の会話、それらが温かい飲み物の中にとけこみ、硬直した体のすみずみにまで暖かさを運んでゆく。
体がじゅうぶん温まり、外の世界へ出ていく心の準備ができると、私はまた一枚一枚、よろいを重ねる。
②ここにあってくれて、どうもありがとう。私はもう大丈夫です。
素直にそういいたくなる。そして、また氷の世界へ戻っていくのだった。
そう書いているそばから、足元がしんしん冷えてきた。私はあまりの寒さによろいを脱ぐことができず、心も体も、店に入る前よりかえって冷えきってしまった。コーヒーショップやファミリーレストランが回転をよくしようとして温度を下げれば下げるほど、私の心は冷えきり、③その手には乗るものか、と意(い)固(こ)地(じ)になって長居をする。すると童話の中の北風のように、店はますます寒くなってゆく。とても淋しい応酬が日夜繰り広げられている。結局、④私を芯から冷えさせるものは、収益重視という経済感覚なのだった。
早く出てもらいたかったら、太陽作戦でコートを脱がせるのが一番の近道なのに。
こうして私は、悲しいことだが、日に日に温かい気持ちを失っている。
(星野博美『迷子の自由』による)
(注)よろい:身体を覆い守るための戦闘用の防具
(注)藁にすがる:頼りにならないものでも頼りにすることのたとえ
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1 、1、日本とヨーロッパの店の経営感覚の違いに驚きを禁じえない気持ち
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2 、2、太陽作戦で客を追い払おうとする店のやり方を許せないと思う気持ち
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3 、3、回転率を高くして利益をあげようとする店の経営方針に対する悲しい気持ち
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4 、4、客の気持ちよりも経済的な収益を大事にする店のやりかたに、不満ではあるが理解を示す気持ち