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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

1.①うまい具合に順番に並んでいるとはどのようなことか。


人間はオオカミや虎のように純粋の肉食動物ではない。牛や馬のように純粋の草食動物でもない。肉も食べれば植物も食べ、魚やエビも食べれば果物やキノコも食べるという、まさに雑食の動物である。(中略)

その時その時の状況に応じて肉も食い、草も食うというためには、鋭く噛み切る歯と、擦りつぶし用の平たい歯の両方が必要になる。雑食で生きていこうとすればその両方を揃えねばならなかった。いうまでもなぐ、歯は上下のあごが噛みあってこそ役目を果たす。尖った歯と平たい歯がばらばらに生えていても意味がない。人間の口にはそれがじつにうまい具合に順番に並んでいる。このようなものができるのは大変なことであったろう。

肉も食べ、草も食べ、果実も食べ、キノコも食べということになると、胃も大変である。肉を消化させる肉専用の酵素も必要だし、草を擦りつぶすことも必要である。消化に手間と時間のかかる植物食への対応には、長い腸も必要である。肉食のためには必要のない発酵装置も要るだろう。

そういうものをみな揃えるには、肉食動物のしかけと草食動物のしかけを両方とも、しかも程よい割合で、程よい順番に並べていかねばならない。それは大変なことであったろう。

人間の直接の祖先は類人猿(注1)である。森に住んでいた大型類人猿は、本来は草食動物であった。しかし彼らは牛などのように徹底して草ばかり食うのではなく、木の葉も食い、植物の芽も食べ、果実も食べ、たまたま出会った虫も食うという、いわば雑食的な食べかたをしていた。人間の体の雑食的なしかけはこの基礎の上にできあがってきたのだろう

類人猿の中でもチンパンジー(注2)はかなりの肉食をする。このことが人間の雑食性をさらに進めることになったのであろう。

そして人間が森から開けた平地に出ていったとき、人間はこの雑食性のおかげで生きのびられた。そこは森のようにやさしい場所ではなかったからである。

人間は純粋の肉食動物ではないし、純粋の草食動物ではない。だからといってそのどちらでもない雑食でごまかしているというのでもない。体のしかけから考えてもわかるとおり、人間は純粋の雑食動物としてできあがったのだ。

つまり人間は、日和見(ひよりみ)(注3)的な雑食なのではない。多様なものから必要な栄養を少しずつ、しかも効率よく摂取していくことによって生きていく動物なのである。

(日高敏隆『セミたちと温暖化』新潮文庫刊)

 

(注1)類人猿:最も高等な猿類

(注2)チンパンジー:猿類の中では最も知能の高いものの一種

(注3)日和見(ひよりみ):自分で考えて決めずに、周りの様子を見て状況に合わせて決めること

  • 1 、1、ばらばらだった平たい歯と鋭い歯が順番に並んでいること

  • 2 、2、肉用の歯と軍用の歯がそれぞれ噛(か)みあうように生えていること

  • 3 、3、上下のあごにそれぞれ形の異なる歯が生えていること

  • 4 、4、肉食と草食の両方に適している歯が並んでいること

2

問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

2.②そういうものとは何を指しているか。


人間はオオカミや虎のように純粋の肉食動物ではない。牛や馬のように純粋の草食動物でもない。肉も食べれば植物も食べ、魚やエビも食べれば果物やキノコも食べるという、まさに雑食の動物である。(中略)

その時その時の状況に応じて肉も食い、草も食うというためには、鋭く噛み切る歯と、擦りつぶし用の平たい歯の両方が必要になる。雑食で生きていこうとすればその両方を揃えねばならなかった。いうまでもなぐ、歯は上下のあごが噛みあってこそ役目を果たす。尖った歯と平たい歯がばらばらに生えていても意味がない。人間の口にはそれがじつにうまい具合に順番に並んでいる。このようなものができるのは大変なことであったろう。

肉も食べ、草も食べ、果実も食べ、キノコも食べということになると、胃も大変である。肉を消化させる肉専用の酵素も必要だし、草を擦りつぶすことも必要である。消化に手間と時間のかかる植物食への対応には、長い腸も必要である。肉食のためには必要のない発酵装置も要るだろう。

そういうものをみな揃えるには、肉食動物のしかけと草食動物のしかけを両方とも、しかも程よい割合で、程よい順番に並べていかねばならない。それは大変なことであったろう。

人間の直接の祖先は類人猿(注1)である。森に住んでいた大型類人猿は、本来は草食動物であった。しかし彼らは牛などのように徹底して草ばかり食うのではなく、木の葉も食い、植物の芽も食べ、果実も食べ、たまたま出会った虫も食うという、いわば雑食的な食べかたをしていた。人間の体の雑食的なしかけはこの基礎の上にできあがってきたのだろう

類人猿の中でもチンパンジー(注2)はかなりの肉食をする。このことが人間の雑食性をさらに進めることになったのであろう。

そして人間が森から開けた平地に出ていったとき、人間はこの雑食性のおかげで生きのびられた。そこは森のようにやさしい場所ではなかったからである。

人間は純粋の肉食動物ではないし、純粋の草食動物ではない。だからといってそのどちらでもない雑食でごまかしているというのでもない。体のしかけから考えてもわかるとおり、人間は純粋の雑食動物としてできあがったのだ。

つまり人間は、日和見(ひよりみ)(注3)的な雑食なのではない。多様なものから必要な栄養を少しずつ、しかも効率よく摂取していくことによって生きていく動物なのである。

(日高敏隆『セミたちと温暖化』新潮文庫刊)

 

(注1)類人猿:最も高等な猿類

(注2)チンパンジー:猿類の中では最も知能の高いものの一種

(注3)日和見(ひよりみ):自分で考えて決めずに、周りの様子を見て状況に合わせて決めること

  • 1 、1、必要な栄養が取れる異なる種類の食べ物

  • 2 、2、一度に大量の食べ物を取るための器官

  • 3 、3、体に必要な食べ物と不要な食べ物を分ける装置

  • 4 、4、さまざまな種類の食べ物を消化するためのしかけ

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

3.③人間の体の雑食的なしかけはこの基礎の上にできあがってきたのだろうとあるが、筆者の考えに近いものはどれか。


人間はオオカミや虎のように純粋の肉食動物ではない。牛や馬のように純粋の草食動物でもない。肉も食べれば植物も食べ、魚やエビも食べれば果物やキノコも食べるという、まさに雑食の動物である。(中略)

その時その時の状況に応じて肉も食い、草も食うというためには、鋭く噛み切る歯と、擦りつぶし用の平たい歯の両方が必要になる。雑食で生きていこうとすればその両方を揃えねばならなかった。いうまでもなぐ、歯は上下のあごが噛みあってこそ役目を果たす。尖った歯と平たい歯がばらばらに生えていても意味がない。人間の口にはそれがじつにうまい具合に順番に並んでいる。このようなものができるのは大変なことであったろう。

肉も食べ、草も食べ、果実も食べ、キノコも食べということになると、胃も大変である。肉を消化させる肉専用の酵素も必要だし、草を擦りつぶすことも必要である。消化に手間と時間のかかる植物食への対応には、長い腸も必要である。肉食のためには必要のない発酵装置も要るだろう。

そういうものをみな揃えるには、肉食動物のしかけと草食動物のしかけを両方とも、しかも程よい割合で、程よい順番に並べていかねばならない。それは大変なことであったろう。

人間の直接の祖先は類人猿(注1)である。森に住んでいた大型類人猿は、本来は草食動物であった。しかし彼らは牛などのように徹底して草ばかり食うのではなく、木の葉も食い、植物の芽も食べ、果実も食べ、たまたま出会った虫も食うという、いわば雑食的な食べかたをしていた。人間の体の雑食的なしかけはこの基礎の上にできあがってきたのだろう

類人猿の中でもチンパンジー(注2)はかなりの肉食をする。このことが人間の雑食性をさらに進めることになったのであろう。

そして人間が森から開けた平地に出ていったとき、人間はこの雑食性のおかげで生きのびられた。そこは森のようにやさしい場所ではなかったからである。

人間は純粋の肉食動物ではないし、純粋の草食動物ではない。だからといってそのどちらでもない雑食でごまかしているというのでもない。体のしかけから考えてもわかるとおり、人間は純粋の雑食動物としてできあがったのだ。

つまり人間は、日和見(ひよりみ)(注3)的な雑食なのではない。多様なものから必要な栄養を少しずつ、しかも効率よく摂取していくことによって生きていく動物なのである。

(日高敏隆『セミたちと温暖化』新潮文庫刊)

 

(注1)類人猿:最も高等な猿類

(注2)チンパンジー:猿類の中では最も知能の高いものの一種

(注3)日和見(ひよりみ):自分で考えて決めずに、周りの様子を見て状況に合わせて決めること

  • 1 、1、人間の体の仕組みが変わったのは、もともと植物を食べていた人間の住む場所が変わったからだろう。

  • 2 、2、人間が植物だけでなく動物も食べられるようになったのは、祖先が森に住んでいたからだろう。

  • 3 、3、雑食できる人間のしかけは、人間の祖先がさまざまなものを食べていたからできたのだろう。

  • 4 、4、人間が雑食的な食べ方をするようになったのは、肉食と草食のしかけを両方持っていたからだろう。

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

4.この文章で筆者は人間をどのように説明しているか。


人間はオオカミや虎のように純粋の肉食動物ではない。牛や馬のように純粋の草食動物でもない。肉も食べれば植物も食べ、魚やエビも食べれば果物やキノコも食べるという、まさに雑食の動物である。(中略)

その時その時の状況に応じて肉も食い、草も食うというためには、鋭く噛み切る歯と、擦りつぶし用の平たい歯の両方が必要になる。雑食で生きていこうとすればその両方を揃えねばならなかった。いうまでもなぐ、歯は上下のあごが噛みあってこそ役目を果たす。尖った歯と平たい歯がばらばらに生えていても意味がない。人間の口にはそれがじつにうまい具合に順番に並んでいる。このようなものができるのは大変なことであったろう。

肉も食べ、草も食べ、果実も食べ、キノコも食べということになると、胃も大変である。肉を消化させる肉専用の酵素も必要だし、草を擦りつぶすことも必要である。消化に手間と時間のかかる植物食への対応には、長い腸も必要である。肉食のためには必要のない発酵装置も要るだろう。

そういうものをみな揃えるには、肉食動物のしかけと草食動物のしかけを両方とも、しかも程よい割合で、程よい順番に並べていかねばならない。それは大変なことであったろう。

人間の直接の祖先は類人猿(注1)である。森に住んでいた大型類人猿は、本来は草食動物であった。しかし彼らは牛などのように徹底して草ばかり食うのではなく、木の葉も食い、植物の芽も食べ、果実も食べ、たまたま出会った虫も食うという、いわば雑食的な食べかたをしていた。人間の体の雑食的なしかけはこの基礎の上にできあがってきたのだろう

類人猿の中でもチンパンジー(注2)はかなりの肉食をする。このことが人間の雑食性をさらに進めることになったのであろう。

そして人間が森から開けた平地に出ていったとき、人間はこの雑食性のおかげで生きのびられた。そこは森のようにやさしい場所ではなかったからである。

人間は純粋の肉食動物ではないし、純粋の草食動物ではない。だからといってそのどちらでもない雑食でごまかしているというのでもない。体のしかけから考えてもわかるとおり、人間は純粋の雑食動物としてできあがったのだ。

つまり人間は、日和見(ひよりみ)(注3)的な雑食なのではない。多様なものから必要な栄養を少しずつ、しかも効率よく摂取していくことによって生きていく動物なのである。

(日高敏隆『セミたちと温暖化』新潮文庫刊)

 

(注1)類人猿:最も高等な猿類

(注2)チンパンジー:猿類の中では最も知能の高いものの一種

(注3)日和見(ひよりみ):自分で考えて決めずに、周りの様子を見て状況に合わせて決めること

  • 1 、1、肉食動物と草食動物の特徴を半分ずつ持っている中間の雑食動物である。

  • 2 、2、オオカミや虎(とら)、牛や馬のような純粋の動物ではないため雑食動物である。

  • 3 、3、肉食動物とも草食動物とも言い切れないため雑食動物と分類している。

  • 4 、4、肉食でも草食でもない全く別の雑食という種類の動物である。

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